翌朝、ホテルから2時間おきに出ているモール行きの車に乗る。
実は私、ショッピングモールという場所に1ミリの関心もない人間。世界のどこにあろうとモールはモール、私にとってそこは福岡のダイヤモンドシティ(今は名称が変わってるんだっけ)と何ら変わらなかった。ブランド品や最新式の何かに興味がない私の、欲しいものはそこにはない。
全米一の規模を誇るこのモール・オブ・アメリカは1日では回れないほど沢山のお店があり、施設内には巨大な観覧車もある。休日ならさぞ多くの地元民でにぎわうのだろうが、その日は平日。朝いちということもあって、静かである。
ここに行きたがったのは次男だった。スポーツブランド大好きな次男は、財布である私たち夫婦を従え、いろいろな店に入る。昼を過ぎようとした頃、しびれをきらした私は言った。
他の場所に行こうよ。せっかくこんな遠くまで来て、どこにでもある物見てもしょうがないやん!
まだまだ見たりない次男は不満げだったが、明朝少し時間が取れるからまた来たらいいと夫に言われ、しぶしぶダウンタウンに連れられていく。興味の対象が違う者同士が旅に出ると、お互い苦痛(あるいは忍耐)の時間を過ごすことになるという教訓。
モールの地下にはメトロの駅がある。この町の路線は非常にシンプルだった。モールから空港、ダウンタウンは一本で繋がっていて、その先が二つに分かれる。一日乗車券(4ドル位)を購入し、観光案内所があるダウンタウンの駅まで乗ってみた。
私たちが乗った区間はほとんど地上だったので、外の様子がよく見えた。見渡す限り、まだ雪が残っていて、冬景色である。
途中、広大な墓地が見えた。国旗が掲揚されていたので軍関係者のお墓だろうかと思う。もっともアメリカでは至るところに国旗が掲揚されていることを後から知るのだけれど。
ダウンタウンが近づくと、曇り空の下、巨大なビルが林立し、時計台も見えてきた。ビルがどれも黄土色がかっているので、古い童話の世界のような印象を持った。
下車すると・・・
寒い!冷たい空気がズボンに沁みわたる。なのに行き交う人はマスクはもちろんマフラーさえ巻いていない。寒さに慣れない私たちはう~~と唸りながら、足早に観光案内所を目指す。
たどり着いた案内所は、ビルの1階にある雑貨屋さんの中にあった。 声をかけると、背の高い感じのよい男性がやってきて私たちの相談に乗ってくれた。観光案内所というのは、もしかしたらお店がやってるボランティアかもしれないと思った。私たちが限られた時間しかないことがわかると、町なかにある何とかタワー(名前忘れた)の見学を薦められた。残念ながらミシシッピ川のクルーズは、川が凍っているこの時期はシーズンオフ。でも川は町からそう遠くないということもわかった。
観光前に、昼食を摂る。このあたりはオフィス街だが、道路に面した所には飲食店が少なかった。1つ2つブロックを過ぎたところで適当に入ったビルの中庭に、地中海料理のお店があった。お高そうな雰囲気だったが、とりあえず入ってみて・・・正解。
ライス(またはファラフェル)の上に、好きなお惣菜を盛るスタイル。1プレート10ドルしなかった。全粒粉のパンがしみじみ美味しい。何より新鮮な野菜に飢えていたので、このお店がホテルの近くにあればいいのに、と心から思った。 (だってホテルの自販機ですら、簡易な料理のパッケージが6ドルもするので!)
満足して午後からの散策に臨む。
これはお店が入っていたビルの広い中庭。ガラス張りの天井から滝のような水が落ちていて、きれいだった。ちなみにお店の名前は「Roti」、地中海と言うよりインドまでの広い範囲の料理という印象。
ダウンタウンのビルにはこのような渡り廊下?が張り巡らされていて、中を歩く人びとは軽装で、快適そうだった。
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