物の考え方としては分かるんだけど。素直にそうですねとは言えない。
響かない理由は、私の場合、彼のように人生における選択肢が豊富ではなかったから。
彼は一流大学を出て一流の会社に入っている。退職した理由については書かれていないが、
さらに脚本家となった後も、紆余曲折はあったにせよ仕事には恵まれている。
どう転んでも、成功していた人。
だから、響かない。
もし彼が、一流の会社をあっさり辞めて脚本家になったけど、さっぱり売れなかった。だけど好きな仕事ができて幸せだ。やっぱり人間は経済よりも心の満足を優先すべきだ、なんて言ってるのであれば、へええそういうもんかねぇ、と感心したかもしれない。
そこまでいかなくても、私が今、好きな仕事をして経済的に恵まれているのであれば、本当にそうですね、と言ってたかもしれない。
かなしいかな、いくつもの非正規雇用で食いつないできた人間にとっては、彼が憂慮する「不幸な会社人間」すら、安定してるという点で羨ましい存在なのである・・・
だから、経済よりも大事なものなんて言われても、そんなことわかってますよ。
自分や家族の幸せ?本当の意味での豊かさ?
経済に頼らずとも
日常の至るところに煌めきがあるのを、私は知っています。
その日常を支える経済的基盤が、最大の課題なんですってば。
それを否定しないでくださいな
と言いたくなるわけだ。
思うにそういうことは、彼のような社会的に十分に成功している人よりも、私なんかが言ったほうが余程リアリティがあるのではないか。
だけど、読者がありがたがるのは、やっぱり彼のような成功者のご神託、なんだろうなぁ。
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