2003年の映画だからか、公式サイトがない(;´д`)
私は韓流にもヨン様にもはまらなかったけど、この映画のDVDだけはなぜか持っている。この週末、久しぶりに鑑賞。
18禁とはいえ芸術性が高く、文芸作品のような重厚さもあり・・・
それもそのはず18世紀のフランス小説『危険な関係』が原作。
Wikiによるとこの作品は様々な時代、地域に置き換えて映画化されているが、退廃した貴族文化が背景にあるので、現代よりは時代劇のほうが相性がよさそうだ。
本作でも舞台を李氏朝鮮後期に置き換えている。
退廃した貴族文化が優雅に巧みに描かれていて(好み!)ヨーロッパの宮廷音楽のようなBGM(ハープシコードかな)と映像がよく合いセンスのよさが光る。
ゲームのように恋愛を楽しむ長官夫人、
女を取っ替えひっかえ領主様、
本気の恋はかっこ悪いと口では言うけど
結局、真実の愛に抗えない。
潔癖すぎる未亡人はいうに及ばず。
ということで、テーマは純愛かと。
快楽、復讐、賭けに勝つため、複雑に絡み合う人びとは実に人間くさくて
誤解を恐れずに言えば、シングル同士のおキレイな恋が味気なく平べったいものに感じてしまうほど。
(→年齢のせいかね、私はティーンが主人公の恋愛物に辟易している。最近の日本映画ってなんでこうお子ちゃまが幅を利かせてるの??)
まぁこの作品の主人公二人もお互い妻や夫に先立たれてるので、シングルっちゃシングルなわけで。なのできっかけはどうあれ、最後は美しく昇華してしまった。一応未亡人の身持ちの堅さ、清潔感がこの話の重要な要素だからなぁ。
しかし未亡人の貞節といえば、微妙なものがあって(おっと!)
つい先日、坂口安吾の『堕落論』を取り上げた番組で、天皇制、武士道、そして貞節ってのは政治の道具として押し付けられた古い価値観だという意味のことを言っていて。
いずれも人間本来の姿ではないんだというね。そうだなー確かに、いずれも人を支配するには都合がいいものばかりのように思える。
それにしてもすごいのは側室としてやってきた女の子ですよ。
心に思う人がいながらも、結婚は長官(=40歳の「おじいさん」!)と、そして身体は領主との快楽に溺れていくという、16にしてこのしたたかさ。(;´∀`)
ところで、この映画には随所、先日書いた『巡りあわせのお弁当』と重なる部分がある。
手紙によるやりとりにで徐々に二人の心が通い始めるさま、
そして「ここではないどこか」。理想郷を夢見るところ。
『巡りあわせ』が幸福の国ブータンだったのに対し、本作では先進的で国際的な清の北京がそれにあたる。
行こうとして結局たどり着けないのも同じ。
そうそう、この映画の気になったところ!
未亡人ヒヨンがホウセンカで爪を染めるシーン。
仕上がりは見えなかったので、実際にはどんなものか画像をぐぐってみると
丁度インドのメヘンディ(ヘナ)のように、赤オレンジ色に指先を染めるもののようだ。ナチュラルで面白い美容法。試してみたいなー。
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