アメリカ 1日目(羽田~ミネアポリス)

芳香剤の匂いがきついホテル送迎車は、開発中の空港周辺地域を通り抜け、大陸の広い道路を爆走する。

遠くには名の通ったホテルやIKEAの建物が点在するが、ひと気はない。もう日が傾きかけていることもあって、漠然とした不安を感じながら窓からの風景を眺めていた。


ほどなく着いたホテルは、こじんまりとした外観だった。

ホテルというよりはモーテルに近いかもしれない。フロントのアジア系女性の笑顔に少しほっとする。私たちの部屋は2階だったがエレベーターはなく、重いスーツケースを抱えて階段を上がる。

扉を開けるとダブルベッドが二つ、予想外に広く、落ち着いて清潔感があった。冷蔵庫も電子レンジもある。


日が暮れて、近くに見えていたマックを目指して歩いた。

雪がまだ残る道路は広く歩行者はいない。店内もがらんとしていて、お客は2,3人。こういうところはドライブスルー利用者がほとんどなのだろう。意外だったのは、ハンバーガーのメニューが少なく、ボリュームも値段も日本と大差なかったこと。ただしドリンクは飲み放題。(身体に悪そうな色付き炭酸ばかりなので、決してお得とは言えない)

ファストフードは嫌いではないが、たちまち食欲が失せた。夫と次男はセットメニューを頼んだが、私はブリトーと激甘のラテのみ。これがアメリカでの最初の食事だった。


とりあえず、ホテル周辺には何もないことがわかった。

代替便の出発は明後日午後。中1日をどう過ごすか。急いで計画を立てねば。幸いホテルのWi-Fiはすこぶる快適だった。


そもそもこのミネアポリスという町は、どんなところなのだろう。スマホを駆使し、全米最大級のショッピングモール兼娯楽施設モール・オブ・アメリカがあること、ダウンタウンには美術館や博物館、スタジアムがあって結構栄えていること、ミシシッピ川が近いこと、そして郊外になるが故プリンスの自宅兼スタジオがあることがわかった。


期せずして滞在することになったミネアポリスだが、そこそこ楽しめそうだ、これはある意味恩恵かもしれないと夫が言い、希望の灯がともる。


安心して就寝するもその夜は時差の関係か、ほとんど眠れないまま翌朝を迎えた。




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