東京で暮らし始めて、昨日でちょうど10年。
実家での14年を除いて
こんなに長く一か所に住み続けたことはなかったので、
我ながらびっくりである。
もともとアジア志向こそあれ、東京に住むという予定も
憧れも一切なかった、なのに
状況が私たちの背中を押す。東京へ行けと。
若気の至りかほとんど不安も感じず、わざわざ貯金はたいて
あと2週間で5年生を修了する長男と、
3歳の次男を引き連れ、一足先に来ていた夫が待つ
この地に越してきた。
いやはや、何のご縁であったか。
ご想像どおり、いろんなことがありました。
あぁこれを体験するために呼ばれたのかな、と思うような出来事も。
これだけで本一冊書けそうなので割愛するが。
でも、やはり311は外せない。
明日でちょうと5年という節目の日に起きた東日本大震災。
幸い私にも家族にもほとんど影響を及ぼさなかったけれども、
たぶん多くの人が感じたように、
あの日を境に、世界が変わってしまった。
世界が丸ごと違う次元に突入してしまった、と感じた。
だがそれも日本人気質がなせるわざか、
「これまでどおりの日常に戻そう」という
集団の強い念の力がはたらき、
思いのほか早く、
何事もなかったかのように
均されてしまった・・・。
良くも悪くも
私は「この世は仮住まい」という
思いを強くした。
記念すべき10周年なのに、先週始めに
かかった風邪のおかげで私は昨日も家でぐったり寝込んでいた。
お酒どころじゃないので
オレンジジュースのソーダ割りで乾杯。
東京は私に豊かな経験を与えてくれたし、
私という純度を深めてくれたようにも思う。
いつまでここにいられるのか
先は見えないけれども、
今はこの愛すべきささやかな毎日を
家族で満喫していこう、と。
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