全ては、これだった

紹介状も持たずに、神経内科を訪ねた。

めまいで足がふらついて危なっかしいので、夫に支えてもらうような情けない恰好で。

左半身はピリピリしびれ続けている。


私はドクターに訴える。時系列に起きた症状と受けた検査の数々。

頸椎に問題があるんじゃないかということも。

一通り話を聞いたドクター曰く、

あなたは病気じゃありません。強いて言うなら、メンタルです。


言葉に詰まる。

だって、私、ストレスなんて「それほど」感じてないし、そんなにデリケートでもないはずだったから。なのに説明を聞いているうちに、涙が溢れてきた。

それは、恐れていた脳梗塞・後遺症が残るような病気ではなかったという安堵、やっと原因がわかった喜び、知らなかった自分の一面を知った驚きとが入り混じっていたのだと思う。

要するに、私はクソがつくほど真面目で、頑張り屋で、一人でなんでも抱え込んでしまうタイプなのだ。

誰にも頼れない、とばかりに孤軍奮闘してきた私。

ストレスがないのではなく、感じないように、見ないようにしてきたことにより、長年耐えてきた身体がついに悲鳴を上げていたのだ。

「適応障害」どころか「パニック障害」に片足を突っ込んでいて、精神的に崖っぷちにいるという今の私。

全く、自覚がなかった。けど、そう言われれば納得することばかり。

ふだんは気が張っているから何とかなっていても、休みの日になるとどどっと身体の不調が現れる。

(GWのあれもきっと!!)動悸もめまいもしびれも、典型的なパニック障害の症状だ。

いつの頃からか、食欲が減少していて、朝はコーヒー、夜はお菓子を食べて終了。まともな食事は昼のお弁当くらい(ごく少量)。

最近は趣味の絵も針仕事も、やろうという気にならなかった。

夜眠れないので1時くらいまで起きていたけど、別に何をやるわけでもなく、座ってぼーっとテレビを見るかスマホをいじっているだけ。

結果、睡眠平均5時間だということも、ストレスに拍車をかけていたようだ。

まずはしっかり寝ることを指導され、安定剤を数週間分処方された。


後で知ったが、このドクター自身、いくつもの生命の危機を乗り越えてこられた方で、そのせいか他人のオーラが見えるのだとか(!)。だから私が診察室に入ってきた瞬間、『この人は病気じゃない』と直観されたのだそう。

「あなたは病気じゃありません」という言葉はすごい。私は、自分で言い聞かせていた「私は健康だ」という言葉に、強力な後ろ盾を得たような気がした。

うそのような話だが、昨夜まで苦しんでいた首の異常な痛みがそれっきり消えてしまい、病院からの帰り道は(若干ふらついてはいたものの)自分の足で歩き、夫と久しぶりにランチを楽しんだほどである。→ふらっと入った中華料理店、中国語が飛び交っていて、まるで北京にいるかのようで楽しかった!


しかしパニック障害・・・聞いたことはあるけど・・・

まさか自分がそうなるとは!

ストレスが、こんなにはっきりした形で身体に現れるとは!

知識としては知っていたけど、自分の身に起こるまで、繊細な現代人(それも若者)だけが罹るものだと思っていた。

神経内科に行ってよかった。(ほんとは整形外科をメインに考えていた)

そして、この先生に会えてよかった!


ストレスが引き起こす症状には、本当の身体の病気と「たまたま」似ていて区別がつきにくいことが往々にしてあるのだそうだ。今回の脳梗塞疑惑もまさにそれで。

・・・賞味期限切れの生ハムによるボツリヌス症疑惑(恥)があったこともついでに告白しておく。


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