キホン日本語を使って暮らしているけれど
(夫との会話は未だ中国語モドキだが)
いちばん自由に使いこなせているはずの
日本語には困った点もあって、
その一つが「見知らぬ人への呼びかけ」だ。
たとえば道を歩いていて、
前を歩いていた男性のポケットから
折りたたまれた紙片がポロッ。
歩道に落ちたのは、どうでもいいチラシ
・・・かと思いきや、
なんと、一万円札。しかも2枚重ね・・・!
人通りも多いし、こりゃ大変。
急いで拾いその人を追いかける。
こんなとき、なんて声をかけますかね?
私は「すみませーん!」「あのー!」だった。
(あ、これ最近実際にあった話です)
相手がどんな人であっても、同じように言ったと思う。
人によっては「おじいちゃん」「おばあちゃん」
「おにいさん」「おねえさん」「ぼく」「おじょうちゃん」
なんて呼びかけたりできるかもしれないけど、私はそれも苦手で。
だって失礼だよね?
というか妙な恥ずかしさがあるのは私だけ?
私だって他人から「おばさん」「奥さん」とか言われたら、内心
なんて馴れ馴れしいやつ!と思うだろう。
(自分と同世代の人に対して呼ぶときは特に難しいと感じる)
ちなみにその男性は、息子と変わらないような若い男の子だった。
さらに言うならネパール人だった。。。がまぁ問題はそこじゃない。
日本語に限らないかもだけど、
すみませーん!系の呼びかけの場合
賑やかな場所では誰ともなく言ってたりするので、
自分に対して言われてることに気づかれないケースも多い。
(駐輪場で遠くにいる徴収係の人を呼ぶとき
すみませーん!と連呼していたがなかなか来なくて、
やっと来たおじさんから
『自分が呼ばれているとは思わなかった。係員さんと呼んで』と
言われてしまった)そうか、そう呼べばよかったのね。
とはいえ他の言語でも
こと中年女性に対しては気をつかっているらしく。
昔は「大姐」と呼んでいたような人でも、「小姐」と
呼んでたりするし、ロシア語のテキストにも
おばちゃんであってもおじょうさんと呼びましょうと
書かれていたので、笑ってしまった。
ちなみにロシア社会にはおばさんを尊敬する文化があるのだそうだ。
なんて良い国なんだ。
私が呼ばれてまんざらでもなかったのは、「マダム」である。
インドやシンガポールでは20代であっても
セレブでなくても、結婚していればマダムだった。
なんて素晴らしい習慣なんだ。
女性を良い気分にさせることは、人生に面倒を引き寄せない
ためにはマストなのだ。
あ、先の二万円を拾ってあげた男の子は、
すごくすごーくびっくりして、何度も日本語で
ありがとうございます、と言っていた。
ネパールの青年よ、これが日本人の美徳だよ。
いやほんとは、
自分のポケットに入れる度胸がなかっただけ。
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