ペットロスの真っ只中、わがやにやって来たのが、この子。
文ちゃんと同じ、白文鳥の中ヒナだった。
生まれたのは9月という。だから文ちゃんの生まれ変わりではない。
まだ文ちゃんの喪に服したかったのに・・・複雑だった。
新しい籠に入っているこの子を見たとき、素直に喜べなかったし、正直憤りすら覚えた。文ちゃんがいなくなったからといって、次の子をさっさとお迎えするなんて!ひどすぎる!
事情を聞くと、夫が近所のペットショップで見かけて、いてもたってもいられなくなって連れてきたという。
罪ほろぼしならやめて。文ちゃんにもこの子にも失礼だ。
私はそう言った。
夫は言った、
そういうわけじゃない。文ちゃんはすぐに生まれ変わって、絶対またわがやに来る。そのとき、この子と一緒に迎えられたらと思ったと。(文ちゃんはシングルで、お嫁さんをどうするかすごく悩んでいたので・・・)
夫は輪廻転生を信じていて、実際、親戚や友人の家では出生にまつわる不思議な例がいくつかある。
叔母の一人が幼い頃ずっと自分の前世を語っていた。心配した周りは、努めて忘れさせるようにした。とか、
友人の幼くして亡くなった息子さんが、一年ほどして夢枕に立ち、また彼の子供として生まれることを宣言したとか。→すると間もなく本当に子供を授かったらしい。ただし今度は女の子だったが・・・。
が、理由はどうあれ、事情を知らずにわがやにやってきたこの子にはなんの罪もない。
おとなしく籠に入りブランコで遊んでいる様子を見ると、なんとも健気で、いじらしいのだ。
さらに私の胸を打ったのは、この子がペットショップで売れ残っていた最後の一羽だった、という話である。
夫には言わなかったが、売れ残っていた理由が何となくわかる子だった。
まだヒナだからかもしれないが、文ちゃんと比べて体つきが華奢で、毛色も薄グレーがかっているし、全体に弱々しい。
声も小さく、チッ、チッ、と鳴くだけ。
そして顔をよく見ると、鼻の穴が若干大きく、北島三郎を思わせる・・・なんというかまぁその、いわゆるファニーフェイスなのである。→すみません、北島先生!
私は思わず笑ってしまった。
(あとで命名したとき、このことから名前は【はなちゃん】となった。もちろん表向きには、お花のはな、だけど)
文ちゃんは、文ちゃん。
彼のポジションは、これからも永遠に私にとって最高の小鳥。
そして、
はなちゃんは、はなちゃん。
文ちゃんの代わりではない。
そう、はなちゃんははなちゃんとして、元気に楽しく毎日を送ってほしい。
そんなおとなしく健気な様子で私のペットロスを癒してくれたはなちゃんは、だんだん本性?を見せていくことになるのだが、これはまた後の話である。
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