神さまがくれた娘

私にとってインド映画(特にエンターテイメント系)は玉石混合・・・。
しかし日本で上映されレンタルにもなったインド映画には、選ばれた理由がわかるというか、やはり良作が多いと感じる。

これは知的障害をもつ父親と、その仲間たちに支えられ愛情いっぱいに育てられた娘の物語。
この映画を観て思い出したのが、大和和紀の漫画『杏奈とまつりばやし』。
(私が小さい頃読んだ漫画なので知ってる人少ないでしょうね・・・)
そちらのストーリーを紹介しているブログを見つけたのでリンクさせていただく。
人物設定結構似てる。『神さま』のほうは実の娘で、彼女を引き取りたがっているのは亡き母の実家だが。

この映画の面白さの一つは、娘の養育権を求めて祖父と知的障害の父親それぞれの弁護団が、あの手この手で策を練る裁判劇にある。ただでさえインド人はジュガール(ありとあらゆる手を使って問題を解決する力とでもいうか)の達人であるのに、弁護士がそれを駆使すると最強だなと思う。(笑)

毎回ハラハラ手に汗握るやり取りが続くも、最後にとある証人の登場。
これで終わりか・・・と思ったら、まさかまさかのどんでん返し。(この部分にも人情があり、笑えて泣けてくる)
しかも相手の手強い弁護士に
『負けたことが嬉しい裁判は初めてだ』とまで言わせて。

だがしかし、やっと勝ち取った権利であるのに、ラストはやっぱりこうなるんだなぁ・・・。
父親クリシュナの大きな愛情。彼なりに納得しての決断だが切なさが残る。祖父の家で皆で暮らすという選択はなかったのだろうか。

さて、面白さのもう一つだが、この話自体は現代インドの話なのに、父親が娘に語る物語のシーンは古代インドのファンタジー風に仕立てられていて、本編よりその部分にすごくお金がかけられているんじゃないかと(笑)。
父親が即興で語る支離滅裂なストーリーを演じる王様たちが面白かった。娘のツッコミも(笑)。

ちなみに、これは南インドの映画なので、北インド出身の夫には外国語と同じで何を言っているのかわからない。なので日本語の字幕を見たり私が訳したりしてやっと理解するという、おかしな状況になったのであった。





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