こちらもインド料理にまつわる映画。スピルバーグプロデュースの華やかなアメリカ映画。
日本語の公式サイトがないので英語のサイトを↑
原題は『百フィートの旅』ってところ?これは見れば意味がわかるけど、少し伝わりにくい。かといって邦題も微妙。この話の主役はハッサンのような気がするので。
一応あらすじ、
ボンベイで料理店を営んでいた一家が、暴動で店と母を失い、ヨーロッパに渡る。定住の地を探して旅をする途中、フランスの片田舎で車が故障。そこで見つけた空き家を買い取り店を開くのだが、問題は、道を挟んで向かいに立つ高級フランス料理店。
店のマダムもスタッフも、流れてくるインドの音楽やカレーの匂いといった異文化の侵入に我慢ならず、あらゆる手を使って一家を排除しようとする。
以下ネタバレ含む、
このマダムってのがいかにも嫌味なフランス女で、笑っちゃうほど子供っぽい嫌がらせをするの。でも、それは一応業界のルールにのっとった上での話。自分の店のシェフがやらかした放火に対しては、毅然と「それはシェフの仕事ではない」と切り捨てる。当然ながら良心はあるわけ。(しかしよく放火される店だ・・・あれ、放火は犯罪だよね??日本なら首にするだけじゃすまされない重罪よ)
ペンキで書かれた塀の落書きを、雨のなか一人黙々と消すマダム。
このへんから、物語は動き始める。衝突した文化は、にわかに融合を始めるのだ。
その後の、ハッサンのパリでの成功から、あぁそうだろうなという結末まで、ストーリーは早いテンポで展開する。
この映画の見所は、マダムの変化。変われば変わるもの。そして副シェフのマルグリット。恋人のハッサンの成功を助けながら一方で嫉妬(同じ世界で戦ってる者としての)がにじみ出ている表情を見せたり、その複雑な表現が面白い。
あとはやはり、フランスらしい風物詩かな。颯爽と自転車に乗るワンピース姿のマルグリットが、清楚で可愛いらしい。柑橘系飲料のコマーシャルを思い起こす人も多いのでは。
川縁で釣りをしたり、山でキノコを取ったり、生命を感じる野菜が並ぶ市場、有り合わせのもので食事をふるまうそのトレイには真っ赤なトマト、チーズ、自家製のオリーブオイルとパン。そういうところに、私たちがイメージする通りのフランスが溢れている。
ところで、ウニなんて日本人しか食べないと思ってたので、びっくりした。
役者について。
キャストの中に、ジュヒ・チャウラの名前が!彼女は私が初めて観たインド映画のラストシーンで、失恋した主人公の前に綺羅星のように現れたヒロインだった。本当にきれいな女優さん。で、その彼女が何の役で出ていたか記憶を辿れば、なんとハッサンの料理の師である、彼の母親を演じていたのだった。子供の手を引いてバタバタ走るなんて雰囲気じゃなかったので、わからなかった。
いいなと思った台詞。
何でもインド式に値段交渉する父。足元を見るマダムに対して、
「私は貧乏人ではありません。節約家なのです」
ナイス!実際、彼の目は正しかった。
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